凸凹のある平面
凸凹のある平面_d0017039_19502191.jpg本日より始まった朝霞K邸の見上げ模型。02案は今まで禁じ手?としてきた、凸凹のある平面を敢えて採用する。

外壁面積を減らすために、「外壁の無駄な凸凹はなくすべき」というのは合理的な建築の教義のひとつ。建て売り住宅の凸凹の多いプランは、「動線空間を最小にして部屋数を最大にする」というルールに従ったもので、こういう形状は工事が複雑になるだけで、欠陥部位が増え、なんら住まい手にとってメリットがないというのは、間違いがない。


だが、逆に考えれば、「凹凸をつける=外部との接触面積を増やせる」ということだから、効果的に凹凸をつければ室内の環境は向上するはず。建売は凹凸が問題なのではなく、凹凸の付け方が問題なのだ。

02案は、平面の南側(写真上側)を僅かにクランクさせた。たった、これだけの操作で
①南西の角は北側を含め、3方行の採光が可能になり、
②木造ではつくりにくい、端から端までの開口も可能になり、
③アルコーブ的な空間もつくりやすくなり
④単純な矩形平面より物の置きやすい空間となり
⑤伝統的日本建築の雁行配置のように、建築を敷地に馴染ませることができる。

隣地に囲まれる北西側2階には中庭を設けた。壁に囲まれているので、一見すると輪郭は四角だが、天井はL型でこれも凸凹の一種である。

凹凸をつける、コーナーをぼかす、透かすなどで、家の輪郭を曖昧にした方が外観は軽やかだ。内部も、箱形の建築の場合、四角い輪郭が意識されすぎると、全体の構成がわかりすぎて面白くないから、カツドウノイエシリーズでは、死角をつくるように、トイレタワーを中央に配することが多い。内も外も、いかに箱っぽくしないか、というのは最近意識している課題。
by iplusi | 2007-09-23 19:50 | 朝霞K邸
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