豊田市美術館の茶室「童子苑」
豊田市美術館いってきました。モダニズムの美術館はもちろんいいのですが、せっかく訪れたなら、谷口さん設計の、この茶室も見逃さないようにしましょう。
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玄関側外観。入母屋の数寄屋建築です。屋根がとてもシャープです。軒高は2.1m位。庇の柱は、玄関前でが非常識に跳んでますから、普通でない処理が施されていることがわかります。
玄関戸を抜けると、部屋を挟んで、正面に坪庭があるそう。平面をみると屈曲する庭が施設中央まで引き込まれています。モダニズムの本館とは全く異なる意匠ですが、すごく低い軒とか、中庭を抱き込む構成とか、似ているところが多いんですね。そういう目で見ると、本館のガラスのカーテンウォールも障子のように見えてきます。
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屋根端部の表情。おそらく、化粧垂木+野垂木がくさび形の断面をつくっているのだと思いますが、小口でくさび断面が見えると疎いので、勾配を少し変えて、けらばをシャープに見せているわけですね。
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東側外観。この立面は南だと思ったら東でした。木々に横方向から光を当て、美しく見せる工夫なんですかね。
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広間の前の縁側部分。独立柱が等ピッチに並びます。ガラス戸は戸袋内に全部収納されるようです。
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柱は表面になぐり仕上げが施されています。柱は幅が65mm、奥行きが80mmくらい。かなり細身です。
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縁側庇の出隅コーナー部分。きれいですね。
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広間の欄間はオープン。天井は、縁側方向にはみ出して、広がりを生み出しています。お父さんの谷口吉郎さんの手法だと思いますが、この処理は、すばらしいと思います。空調も段差部分にうまく処理。照明や空調やコンセントを和室に同馴染ませるかというのは、結構、大事な問題です。
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待合から、茶室(小間)方向をみたところ。待合いの軒はとてつもなく低く、親密な感じになっています。
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施設南東角にある立礼(りゅうれい)式茶室では、300円でお茶を頂けます。床に外の緑が映りこんで、きれいですね。
by iplusi | 2012-05-31 20:27 | その他いろいろ
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