世界に一つだけの家具
d0017039_2155248.jpg家具のデザインというのは、一切のごまかしがきかない難しい世界。でも、家にあわせて家具をデザインするのは楽しいものです。世界にたった一つの家具ですね。

鎌倉Y邸の机はイームズの椅子に合わせて設計しました。ただでさえ難しいのに、建築屋が名作の既製品にあわせて家具を設計するなんぞ無茶な話ですが、これはなかなかうまくできたと思います。通常家具の設計は原寸や1/2位のスケールの図面を書いたり、いくつも模型をつくったりして検証するのですが、なかなか想像通りにはいかないものなのです。家具づくりには原寸の試作も必須ですし。

実際つくったのは家を建てた若い大工さん。どうやってR切り出したか聞いたら(加工法考えずに設計するのは問題ですが)、「ジグソーっすよ」っていってました。ジグソーなんかでできるんですね。日本の大工の技術力おそるべし。考えてみれば、最近の家は家具も造作も全部既製品になっちゃて、大工が腕を振るう場所がないのです。せめて階段や建具や造り付け家具くらいは既製品使わずに済ましたいものです。

d0017039_2162910.jpgキッチンのアイランドカウンターは850の高さなので、これにあわせる丁度良い高さの椅子が意外になく、これまた、同じ大工さんにお願いしました。集成材のコーナーは45度カットした部材同士を組み合わせる、「トメ」と呼ばれる接合。きれいに納めるのが難しいので、普通こんなことはしませんが、大工の技術力を信じて設計してます。
ちなみにこれらの家具、おおきな声では言えませんが、信じられないような金額でできてます。
# by iplusi | 2006-04-09 22:03 | 鎌倉Y邸 | Comments(20)
素材さがし
d0017039_21111020.jpg浦和S邸のSさんからメール。用件は、内壁に使う金属材料について。午後の太陽を反射するように、東側の壁面に金属材料を使うのですが、その仕上げをどうするかが課題なのです。


素材探しをするなら、商業施設が面白い。今日は買い物ついでに、新宿のマイシティの飲食店街を物色。透過材料は色々面白いのがありましたが、反射材料はステンレスのバイブレーション仕上げくらいしかみつかりませんでした。
さて、飲食店街の廊下中央に鎮座している、発光する巨大なベッド。通路の中央の待ち合わせ場所。どうみても座ることをアフォードしてます。

d0017039_21113640.jpg「座らないでください」?。犬が電柱にオシッコせずにいられないように、40cmの段差があると、人間は座らずにはいられない生き物なのですよ。しかし、座らせようとしてデザインしながら、座るなとは、いったいどういうことか?
d0017039_2112098.jpgこれがSさんから送られてきた問題の写真。さて、何だろう?きれいですね。お鍋つくる職人さんに叩いてもらいますか。(笑)

# by iplusi | 2006-04-06 21:25 | 浦和S邸 | Comments(0)
多摩地区散策
d0017039_22475342.jpgsnakamさんのブログでサクラ情報があったので、今日は現場再視察。敷地に面した緑道沿いにのサクラが満開でした。この感じだと、家の中からも花見ができそうです。文句なし、最高のロケーション。
d0017039_22472723.jpgこの桃源郷みたいな風景は緑道側から見上げたところ。淡い色の花と、東京の薄い青の空の色。丁度この木々の間からsnakam邸がのぞいてくることになるので、外壁の色は考えどころ。空の色が支配的だと、黒いガルバではちょっとつらそう。シルバーか木が無難か。
d0017039_2248333.jpg周辺には住都公団が元気だった頃の団地が沢山あります。この団地は3階毎に片廊下がついてます。2戸がワンセットになった階段室型と、通常のマンションの片廊下を組み合わせたもの。バリアフリーが言われはじめて、すっかりなくなってしまった型式です。30年の時を経て、団地の周囲の緑も立派です。
d0017039_22485349.jpgこのあたりは、多摩ニュータウンでも最も初期に開発されたところ。有名な低層のタウンハウスもちゃんと残っています。戸建て住宅というか、キャンプ場のバンガロー村というか、なんとも不思議な密度感です。この場所、なぜか低木しか植わっていません。日照や管理上の問題でしょうか。
d0017039_22491439.jpgついでに、ご近所の駐車場舗装を見学。コンクリートブロックの間が見事に緑化されています。普通、既製品の緑化ブロック(例:このページとか)など使うくらいなら、単純にコンクリートで舗装してしまった方がよほどきれいですが、こんな風にできるなら、緑化も良いですね。このお宅では、見事に緑とブロック(ただのコンクリートブロックです)が一体化してました。全体に対してブロックの面積が小さいことと、緑とブロックの明度・彩度が近いことが重要。

# by iplusi | 2006-04-04 22:50 | 多摩N邸 | Comments(5)
中野G邸 今日の現場-4
d0017039_16132767.jpg階段がついて空間の骨格が認識できるようになりました。この写真の立ち位置はダイニング。背後には、児童公園があります。広幅員の4段の階段を上がった所はリビングで、さらにもう2段上ると、奥行き一間の屋根付きの外部テラスになっています。テラスの先は、隣地の屋根の上の空間です。

住宅密集地の旗竿地で、おまけに第一種高度地区(北側5M+0.6L)という悪条件ですが、隣地の屋根の上の空間と児童公園を借景して、明るく開放的な空間をつくることができました。
街の中には利用可能な空間が、まだまだあるということです。
# by iplusi | 2006-04-01 16:28 | 中野G邸 | Comments(0)
住宅と植物
d0017039_23171235.jpg私の住む東京、南大沢では、桜は満開まで、もう少しというところ。
どうもこの時期、桜ばかりに気をとられていますが、このあたりでは、ユキヤナギ、レンギョウ、コブシ、菜の花といった、花の印象が圧倒的な植物たちが力強く咲き誇っています。
d0017039_23173479.jpgところで、造園の世界では、「四季折々の」といったテーマで、季節感のある多様な品種の植物を植えることが一つのセオリーのようですが、一軒の住宅の外構で、それをやるのはちょっと無理があるという気がします。
d0017039_23175196.jpg住宅の外構はルイス・バラガン自邸みたいに全くなにもしていないかのように、ほったらかしにみせるか、種を徹底的に絞って徹底的に人工的につくる方が、うまくいくような気がします。「花の色を統一する」といった作戦も、あっても良いと思います。
# by iplusi | 2006-03-30 23:18 | その他いろいろ | Comments(3)
設計の組み替え
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d0017039_18232660.jpg写真は来月から工事が始まる浦和S邸の構造模型。どうみても3階建てに見えますが、法的には2階建て。ナナメの壁が特徴です。わざわざこんな模型をつくるのは、木造住宅の架構が非常に複雑だから。建築は設計者が一人で分かっていても全く意味がありません。構造家、工務店担当者、大工・・・、工事に関わる全ての人達が、短時間で全体像を把握するにはどうしても模型が必要なのです。

当初プレカットを前提として設計していましたが、概算段階で、「プレカットは使わない、集成材は使わない」という、生真面目な工務店=榊住建に施工が内定したので、工務店が得意とする工法に設計をすべて組み替えました。工務店に技術力がある場合、住宅において特に問題となる構造と断熱を、その工務店の標準工法に置き換えるのは、i+i 設計事務所の基本的なやり方。設計は大変だし、ムダが多いけど、各職方が何度も経験している作り方なら施工は確実になり、かつコストも抑えられるのです。

通し柱は12本(通常の建物では通し柱は4本)。主要架構は一枚刃下部受付きの金物をつかます。プレカットでスキップフロアをやると建て方が非常に大変で、建方方法で架構が決まることもありますが、今回は柱勝ちの仕組みなので、そのあたりの問題はなさそうです。

# by iplusi | 2006-03-28 18:23 | 浦和S邸 | Comments(0)
多摩N邸 07案  「図」と「地」
d0017039_1549166.jpg不整形地では、土地の形状に合わせた建物形状にするというが定石。しかし、コストの制約があるときは、全くつきあわないというのも作戦の一つ。屋外の諸要素を過不足なく配置して、

d0017039_15491849.jpg「地=ground」と「図=figure」の両方がうまくいくように、その関係を調整します。建物の窓は、groundの植栽を意識しながら配置。この場合、建物と外構は同時に設計することになる訳です。

d0017039_15493620.jpg南側は西部劇風の縁側空間に。東側の緑道には桜が咲くとのことで、来春が楽しみです。
東からみると2つの直方体の相貫体にみ見えるように形を整理しました。
# by iplusi | 2006-03-26 15:49 | 多摩N邸 | Comments(15)
「部分」と「全体」
d0017039_2412822.jpg建築・都市の計画においては、常に部分から全体を考える視点と、全体から部分を考える視点の両方が必要です。

日本の土木構造物がダメなのは細部がないから。どんなに技術が革新的でも、細部がチープだと、とたんに質が下がります。そんなわけで、この駅広を設計していたときは、1/500の平面図を書きながら、同時にサッシや橋梁の手すりのディテールを1/1のスケールで検討していました。この時のボスは大高正人という建築家。ディテールへのこだわりはアントニン・レーモンド→前川國男→大高正人と受け継がれた、この事務所の特徴でもありました。

反対に、住宅を建てるとき、建主の興味は、収納や使い勝手といった、原寸大の問題から発想しがちですが、時に鳥の目で、町の方から家を眺めてみることも大事。家の配置や外観は公共のものという視点が欠落しているので、日本の住宅地には町並みが一向にできないのです。
# by iplusi | 2006-03-26 02:42 | その他いろいろ | Comments(0)
システムキッチン見学
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システムキッチンは使いませんが、見るのは好きです。不特定多数の人が納得するようにつくられていますから、当然よくできています。オーダーを前提としてシステムキッチンを見る場合は、海外製品を参考にした方がいいかも。海外製品は金物や、カウンターのプロポーションなど、見るべき所が沢山あります。

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この日は新宿アクタスへ。壁付けの金物、L型キッチンのコーナーのおさまり。なるほど、こういう風になってるわけね、とか頭の中で唱えながら無料で見学します。このでかいフードはどこのヤツなんだろう。熱心に見ますが肝心の値段は見て見ぬふりをします。

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またあるときは参創ハウテック(キッチンを得意とする工務店)のショールームに行ってみたり。この日の収穫はTOTOでもINAXでもグローエでもない水栓メーカー

業務連絡:浦和Sさん、タオルバーの取付イメージはこんな感じです。中野Gさん、クローゼット用長いタイプの手掛けはエクレアカタログ132Pみてください。
# by iplusi | 2006-03-23 21:20 | その他いろいろ | Comments(1)
稲城市立中央図書館
今日の新聞に稲城図書館の記事。7月オープンだそうです。

大高事務所時代に温水プールとのコンプレックスとして基本設計までまとめましたが、延期になった上に計画は凍結。結局PFIに。
検索してみると、この図書館のページの中に私がつくったCG発見。なつかしい。PFIの要項づくりに参加したときにつくった絵です。空中に浮かぶ図書館はメタボリズムの最後の記念碑になるはずでしたが、実際できたものは、地面にへばりついた、ごろっとしたものになったようです。


工事状況などはこちら。http://www.city.inagi.tokyo.jp/central_library/
# by iplusi | 2006-03-22 22:22 | その他いろいろ | Comments(0)