擦らない車路
車体を擦らない車庫の勾配を検討した。車種は最低地上高の低いスポーツカーを想定。

まず駐車場法の車路勾配を調べる。車路は最大17%で、6m程度の緩和勾配を設けるのが基本ルール。緩和勾配は、角度の1/2を計算すると、8.44%となる。つまり、山も谷も8.44%とするなら、普通の車はまず擦らない。

が、ちいさな駐車場の敷地で、8.44%なんていう勾配を維持するのは至難の業。かといって17%を使えば経験則上、確実に擦ることが分かっている。

良くわからないので、とりあえず一度作図してみる。
擦らない車路_d0017039_1202995.jpg

17%だと、NSXみたいな車は確実に擦る。作図によれば、上記数値の間の、ほぼすらない水準は簡単にわかる。

走り屋さんのWEB頁などを紐解くと、最低地上高は基準があるとのこともわかる。
http://www.navi.go.jp/faq/faq03.html

最低地上高は、自動車の接地部以外の部分と地面との間に必要な最低限の間げきであり、車高を低くした乗用車などの最低地上高は、空車状態で測定した値が次の①から③までのそれぞれの値以上でなければなりません。
① 自動車下面の全面で9cm
② 自動車の軸距(ホイールベース)に応じて、次式により得られる値
(ホイールベース)×1/2×sin2°20’+4  【sin2°20’=0.04】
例:ホールベース250cmの場合は9cm
③ 自動車の前軸から前方の距離及び後軸から後方の距離(オーバーハング)に応じて、次式により得られる値
(オーバーハング)×sin6°20’+2  【sin6°20’=0.11】
例:オーバーハング50cm部分の場合は7.5cm
詳しくは「審査事務規程」をご覧ください。(関連条文:4-3-1)


一番擦りやすい車体前面下部については、
(オーバーハング)×sin6°20’+2  【sin6°20’=0.11】
との記載がある。これは「約11%の勾配をとり、かつ2cmの余裕をとること」と読める。
駐車場の緩和勾配は8.44%だから、この11%の根拠は、駐車場ではない。

道路の規格を決めた「道路構造令」には、道路勾配の基準がある。制限速度30kmの道路の最大勾配は9%。重要度が低い場合はこれに2%を加えていいことになっている。これが、どうも11%の根拠らしい。道路の最大勾配は12%だから、最大でもこれを超えないことが望ましい。

以上から、車庫の設計に際しては、「勾配12%以下とするか、車種を想定して作図するかのどちらかによる」とすれば間違いはないと思いますが、車マニアの皆様いかがでしょう?
by iplusi | 2008-07-07 00:56 | 葉山Y邸
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