土地探しのポイント ⑩ウナギの寝床
d0017039_22531092.jpgうなぎの寝床といわれる、狭小間口の土地の注意点について考えてみる。

ウナギの寝床型の土地で気にすることは、何はともあれ両側の隣地境界際の扱いである。まず、民法上の50cmのセットバックについてであるが、耐火建築の場合は、最高裁判決により、建築基準法が民法に優先することが示されているため、敷地境界からのセットバックは必要ない。その他の建築の場合、地域の慣習や、隣地の状況によるところとなろうが、隣地がすでに、民法に抵触しているのであれば、あえてセットバックする必要はないだろう。

ただし、隣家が民法に抵触しているなら、こちらも敷地いっぱいに建てられる、ということにはならない。外壁から隣地境界までの距離が500mm以下になると、工事中の足場スペースが確実に問題になるからだ。

鉄骨ALCなどでは無足場の施工も可能だが、木造住宅では、外壁に通気層を設けることが殆どなので、足場の設置がほぼ必要である。くさび緊結式足場だと、敷地境界から外壁までは300程度は必要。この場合、作業時竪地を越すときは、必ず隣地に越境することになるので、隣地所有者に了解をとって工事することになる。どうせ了解をとるなら、工事中に限って足場用に隣地のスペースを借りるという考え方もあろう。

将来的な外壁のメンテなどを考えれば、隣家との間に最低限、人が入れるスペースを確保しておくべきである。とすれば、少なくとも25~30cmのスペースをお互いに出し合って、と考えるのが健全である。

ウナギの寝床では構造計画も重要である。形態的にみると、狭小間口の住宅は、隣地側の壁面が大きく、間口側の壁面が小さい。大きな隣地側面は風が吹けば、巨大な風圧力を受けるので、間口方向に沢山の壁(または斜材)が必要になる。狭小間口の住宅で、開放感を得ようと思えば、この壁はまことに邪魔な存在である。よって、計画においては、この全く相反する要求を両立する方法を考えねばならない。

仕様規定でおさめるなら、ステンレス製の斜材を使うことも有効だろう。許容応力度計算をするなら、アラミド繊維で仕口部を補強した木造ラーメン構造なども検討してみると良い。
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上図は7倍の耐力壁を分散配置することで、非住宅スケールの18mの見通しを実現した西船橋U邸の平面図。
by iplusi | 2008-03-09 15:47 | その他いろいろ | Comments(0)
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