土地探しのポイント ⑨不整形宅地
不整形の宅地は、ハウスメーカーで建てるのには向いていない。矩形の組み合わせで構成れた平面パタンに落とし込むのが商品化住宅のスタイルだから、不整形地だと、どうしても土地の有効利用できないし、建物の凸凹が増えて、標準化して品質を安定させるという、ハウスメーカーの特色を生かせなくなるからだ。

一方、矩形の平面や南面配置にこだわらない自由な発想で、設計事務所に依頼するようなケースでは、敷地の形状を手がかりに、魅力的な空間が生まれる可能性があり、不整形地は俄然価値を持ってくる。南面配置を採用しなければ、建物の周囲に適切な残余空間がつくれるかもしれないし、敷地境界につきあった形態にすることで、特徴ある平面がつくれるかもしれない。

整形の傾斜地と、不整形の平坦地を比較してみれば、整形の傾斜地が、場合によると技術的に高度な構造の検討や、施工技術を要求するのに対し、ほぼ平坦な不整形地は設計面でも施工面でも、技術的な制約は非常に少ない。制約が少ない、ということはすなわち、安く作れるということである。間取り上、三角の使えない部分ができるとか、そういう問題はおこる可能性があるが、設計の工夫でその手のスペースは解消できるはずだ。

日本の伝統的な大工の技量をもってすれば、RC造で複雑な型枠を組むことも、木造で建物の一部を直行座標からはずすことも朝飯前である。今や平面的斜め部材の仕口はプレカットでも場合によると加工可能である。「基本直行座標、一部斜めあり」というような平面は、若干材料のロスや手間が増えるものの、大幅なコストアップにはつながらないから、試してみる価値は十分にある。
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上は、多摩U邸の配置図。道路が敷地の3方をまわる、馬蹄形の不整形宅地。敷地の西境界線に平行に建物を配置すれば、南の庭が広くとれるが、南西側隣家や車を眺めて暮らしたくは無い。敢えて東に振って、敷地の中央に矩形の建物を配置。道路反対側の公園と一体となるように、家の周囲を緑が取り巻く計画とした。建物の東と南には公園に向かう大型の庇空間を設けている。
by iplusi | 2008-03-09 15:44 | その他いろいろ | Comments(0)
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