土地探しのポイント ②掘り出し物の土地
当たり前の話だが、日当たりがよく、駅に近く、整形で平坦な土地は、人気があり高額だ。土地探しの世界では「掘り出し物の土地はない」というのが定説で、運良く安いという物件はまずない。安い土地は訳があって安いのだ。だから、お買い得な土地を探そうと思ったら、漫然と誰にとっても魅力的な土地を探すのは得策ではない。

d0017039_23473621.jpg嬉しいことに土地選びの時、日本人なら誰しも「日当たり最優先」で考えてくれる。でも、単純な明るさを確保するには北側窓でも十分すぎるほどの光量が確保できるし(写真は鎌倉Y邸の北側窓)、トップライトや中庭を併用すれば、南面にはさほどこだわる必要がないように思う。この条件を外すだけで随分土地探しの選択肢が増えるのではないか。



むしろ日照より、周囲に取り込める環境があるかどうかの方が、私は土地選びの重要なポイントになると思う。方位を問わず、隣地にオープンスペース(緑地や公園、幅員の広い道路など)があるとか、ある特定の方向のビスタに優れるとかいうことがあれば、それを手がかりに住宅の構成を組み立てていくことが可能になる。

自分が買える土地は限られるので、周囲の環境を含めて土地の価値を考えるわけだ。例えば、接道方向が北側でも、道路を挟んだ敷地の反対側に市街化調整区域が広がっているというような土地は、「借景」的手法で風景を取り込めれば、魅力的な住宅ができる可能性が高い。

川崎H邸の敷地は、南側を隣家に囲まれた5角形の土地であった。通常の南面配置をとれば、隣家から覗かれる不整形の庭ができるだけだし、建物も日中ずっとカーテンを閉めないと隣家視線が気になるだろう。このように通常の価値観で考えれば、この土地は割高の土地ということになろうが、南西方向に緑地に向かうビスタを評価した場合、土地は別の価値を持ってくる。
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計画では、五角形の宅地の一番長い対角方向に建物の軸を設定、パブリックスペースを軸上に配置し、南西方向に向かうビスタを積極的に生かすことで、緑を眺めながら食事のできる広々した室内空間を実現した。大きな庭こそとれないが、家のまわりには、樹木を植えるのにちょうど良い広がりが生まれており、不整形な土地は無駄なく活用されている。

さて、土地探しのポイント①のトータルコストの議論を踏まえて考えると、お得感が強いのは、

①隣地にオープンスペースがある
②土地と道路はほぼ平坦。やや傾斜がある時は雛壇造成されていない方がベター
③建物の形は自由に決められるので不整形地も可
④接道方向は北向きでも可
⑤原則インフラ整備済み

というような土地だ。地盤の補強などは予め予算化しておけばコスト的にも無理なく整理できるのではないか。
by iplusi | 2008-03-04 19:00 | その他いろいろ | Comments(0)
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