6/20建築基準法の大改悪
姉歯問題の対策として、「建築確認・検査の厳格化」を大きな柱とする建築基準法等の一部改正が行われ、去る6月20日から施行されている。この改正は、マンションころがしをするような不届きな輩には、有効な改正だと思われるが、まじめに家造りを考える良識ある設計者、施工者の間では、「結果的に建築主の負担増を招くだけ」とすこぶる評判が悪い。確認機関の業務も、度重なる法令、基準の対応の遅れから、ここ1~2ヶ月は事実上、機能麻痺状態にあったと聞いている。

さて、その改正内容だが、本屋で販売している法令集(建築士の試験に使う、赤本青本と呼ばれる類のもの)は6/20に施行された改正基準法には全く対応していないので、内容はWEB上で国土交通省の頁からダウンロードするのが便利。下記頁にまとまっている。

平成19年6月20日施行の改正建築基準法等について

上記リンクより、下記の対照条文をみると改正内容が大体把握できる。対照条文は、変化なしのところは適宜省略されているので注意。

建築基準の新旧対照条文
建築基準法施行の新旧対照条文
建築基準法施行規則の新旧対照条文

今回の改正によって、一定規模以上の建築物(例えば鉄骨4階建て住宅など)は、確認申請に加え、適合性判定という、第三者機関でのチェックが義務づけられた。一度、適合性判定に回ると、確認申請の費用、確認申請用書類整備の費用などが著しく増える。同時に、審査に必要な時間も著しく増える。よって、小規模な建築物であれば、まず適合性判定に回らないようにすべきである。どのような建築物が適合性判定に回るかは下記の国土交通省告示に示されている。

国土交通省告示第593号(02の部分)

木造住宅でも、一階を鉄骨造やRC造にすることはよくある。そういった混構造建築物のうち、適合性判定を要しない建築物が上記593号の3号と4号に規定された。その条文がともかく難解。8/10に発売された、構造の技術基準解説書によって、同告示の読み方が一部示されたが、未だにその内容は不明点が多い。複数の確認機関、行政機関に電話ヒアリングしたが、機関毎に判断が異なり、確認申請の現場はひどく混乱している状態。RCガレージ付きの木造住宅など、混構造の建築物はしばらくはやめた方がよいと思う。

上記構造関連の改正に加え、建築基準法施行規則が大幅に改正された。改正内容は、提出物の書式関連。適合性判定にまわる案件のみならず、建築士が設計した木造2階建て、いわゆる特例扱いの4号建築物についても、提出書類や、記載内容がかなり増えた。ただ、4号建築物は現段階では壁量計算などの構造関連資料の添付は相変わらず必要ない。

規則の改正内容は施行規則の表にまとまっている。具体的な図面の整備方法は8/20発売の雑誌:「建築知識」が詳しい。

また、木造3階建て住宅などは、施行規則の改正で、構造関係の提出物が増える(規則をそのまま木造に適応するのはそもそも無理があるようだが)。構造のソフトはその極めて煩雑な要求資料の出力に対応しておらず、施行後2ヶ月を経ても現場での混乱は続いている。3階建てもしばらく様子見の状態。

その他、建築主が知っておくべきことは、設計内容の変更を行う場合は、軽微な変更を除き、計画変更の確認の手続きが必要となるということ。計画変更扱いとなった場合には、その期間原則工事がストップするので、変更を検討する場合は、工事のスケジュールへの影響について十分に留意する必要がある。
by iplusi | 2007-08-26 12:39 | その他いろいろ
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