建主の現場確認事項
アイプラスアイ設計事務所では、現場が始まると、設計監理者と工務店管理者は、電話、FAX、メールなどを利用して、週に何度か打ち合わせを行います。性能・品質の確認、細部の納まりの確認などが主たる議題です。例えばコンクリートの配合計画の確認といった内容がこれに該当します。

品質・性能については、主としてこの設計・施工サイドの打ち合わせの中で行うため、1~2週間に一度の頻度で行う建て主さんを含めた打ち合わせ(定期または不定期の定例会議)では「設計内容の現場での再確認」が主たるテーマとなります。図面等ではイメージしにくかった内容をもう一度、現実の場所で原寸で確認し、工事の手戻りが出ないように確定するわけです。

このような進め方をする場合、建主さんは工事の各段階で具体的には何を現場で確認すべきでしょうか。アイプラスアイが現場で建主さんにお聞きする内容を中心に、下記にまとめてみました。

①「建物配置と高さの確認」-着工時

着工時にまず行うのが、建物の位置の確認です(確認申請の関係もありますので建物配置は設計図どおりが基本となりますが)。地面に縄を張って現場で位置を再確認します。境界塀と建物位置の関係、隣地の窓の位置、給湯器の位置、エアコン室外機の位置などの関係もあわせて再確認しましょう。

同時に、基準となる地盤面の高さを決定します。平らにみえる敷地でも以外に高低差があるものです。前面道路の高さ、隣地の高さ、全体の土量バランス、汚水マスの管底高などを勘案しつつ、設計者施工者と相談しながら決定することになります。

②「排水設備の位置、基礎貫通方式の確認」-基礎施工前

引き続き行うのは、基礎工事です。RCの施工前に予め基礎立ち上がりなどに配管用のスリーブ(貫通孔)を開けておく必要があります。特にベタ基礎の場合、メンテナンスを考慮して、外部に配管を露出させる形式が一般的になりつつありますので、排水管のおさまりについて確認しましょう。

排水、給水、ガス、給湯器配管に加え、室外機を建物から離して配置するような場合は、エアコン配管もスリーブを設ける必要があります。エアコンの配置は早めに決めておきましょう。

③「主要材料の確認」-上棟時

上棟時にはクレーンがあるので、多くの資材が搬入されます。木質系の材料やの確認は、上棟時または上棟後すぐ行うと効率が良いと思われます。直接チェックする必要はありませんが、管理者、監理者から、搬入または設置された、土台、柱梁の材料、合板類、、釘、金物について説明を受けましょう。

④「アルミサッシの開き勝手、ガラスの種類の確認」-上棟前後

工務店は上棟するとすぐ(下手すると上棟前に)サッシを発注しなくてはなりません。発注前にサッシの色、開き勝手、ガラスの種類(防犯・非防犯の別、透明・半透明の別)を再確認しましょう。開き勝手はそこから見える風景なども考えながら再考するのが良いでしょう。また、大型サッシのハンドルをどうするかとか、オペレーターをどうするかとか、決めるべきことは実は山ほどあります。サッシの取付高さも可能なら現場で確認するのが良いと思います。

④「外壁材料、色の確認」-上棟前後

在来木造では軸組が完了すると、次は屋根、外壁の順に仕上げていきます。したがって、まず決めなければいけないのは屋根の色です。都市部では緩勾配が中心になるので、反射などを考慮して決めることが多いでしょうか。外壁は原寸大の材料見本などで、色や質感を確認します。また複数の材料で仕上げる場合は、法的な制限などを考えつつ、どの部位をどの材料で仕上げるか決定します。

⑤「コンセント、スイッチ、照明の位置・数量の確認」-屋根、外壁下地がはられたころ

断熱工事、電気工事が本格化する前に、やるべきことはコンセント、スイッチの位置、数量の確認です。使い勝手を大きく左右することから、家電、家具の配置などをイメージしながら、決めていきます。アイプラスアイでは、設計監理サイドで展開図に上記コンセント類をプロットし、3者+電気屋さんで打ち合わせしています。

また、エアコンの隠蔽配管などもこの時期に決める必要があります。支給にする場合でも、エアコンがらみはともかく早く決めるたほうが現場はスムーズです。

⑦「テレビ、ネット、電話、の入力方式の確認」-同上時期

①テレビ入力(地デジ、光、CATV、衛星など)、②電話(通常回線、IP電話、CATV電話)、③ネット(光、CATV、ISDN)、④それに伴う家庭内LAN対応(有線、無線)、⑤回線を利用した番組録画等、⑥将来の見通し・・・etc、のように、ローカルで選択肢が沢山あるものは決定するのがやっかいで、決定にも時間がかかりますので、価格コムで検索したり、めぼしい業者に電話したりして事前によく調べておきましょう。

⑧「建具枠、各種見切りのディテールの確認」-断熱材施工前くらい

建具枠や床見切りはボード、フローリングより先に施工するので、内装露出部では一番先に決める必要があります。引き戸を吊り方式にするかVレール方式にするか、ディテールはどうするか、現場で再度確認しましょう。枠は大工さんの仕事で、建具は建具屋さんの仕事なので、枠の方が急ぎますが、建具も先に決めた方が良いでしょう。手かけ形状や面材、カギのあるなし、塗装などを再確認します。
また、アイプラスアイでは、枠材の正面方向の見付寸法(12~36mm位)、幅木のH寸法(30~60mm位)、材料、色などもここで確定します。

⑨「下地位置の確認」-ボード類施工前

内壁の施工ボードを張る前に、予め下地を入れておく箇所をチェックします。手摺、ハンガーパイプ、タオル掛け、紙巻き器、鏡、ブラインド(天井づけするような場合)、カーテンレール、各種フックなどなど、下地が必要なものは結構色々あります。設計仕様にない金物などを追加する場合などは特に、早めに伝えておきましょう。

⑩「家具の詳細確認」-見切り類に同じ

ユニット家具はボードの後に施工しますが、大工工事の造り付け家具はボードより先行するため、見切り類のすぐ後に決めておく必要があります。各部の大きさ、扉の開き勝手、素材、色、棚板の枚数、天板の種類など、設計図の内容を現場で再度確認します。施工上の逃げなどを考慮して若干寸法を微調整したりすることもあります。キッチンを製作する場合などは特に、早めに確認するのがよいでしょう。

⑪「主な仕上げ材と塗装色の確認」-ボード完了時ごろ

フローリング材、タイル、石、メラミン化粧板、クロス類・・・現場の光の中でできるだけ大判の見本で確認しましょう。床に置くのと、壁に立て掛けるのでは光の状態が変わります。できるだけ設置する状態で、隣り合う材料を置いてみて確認するのが良いでしょう。

⑬「設備機器類の確認」

各種機器、衛生器具、照明器具などは取付は最後の最後になります。工事のからみがないものであれば変更することもできますが、ものによって変更できるタイミングが異なるので、できるだけ早い段階で変更の意志を伝達しておいた方が良いでしょう。特にビルトインの機器は、機種によって配管などの位置が大きく変わるので、早い段階でないと変更できない可能性もあります。

⑬「各種付属品の確認」-木工事完了後

インテリアの最後はつまみ、手かけ類、戸あたり、ハンガーパイプの受けなどを決定します。見積書の中でこの手の金物類の仕様が謳ってあることは希なので、通常は中程度のものから選ぶことになります。

⑬「外構舗装の確認」-足場解体前

足場がはずれると屋外の舗装工事を行います。足場設置前に配管は終わっている場合はすぐに舗装工事がはじまるので、外構舗装の種類、目地の割り方などは足場解体前に決めておく必要があります。

⑭「ダメ直し箇所の確認」-工事完了後

短時間で不具合箇所を網羅するのは非常に難しいため、事前にじっくり時間をかけてみるのがいいと思います。一般部よりもエッジの部分をなめるようにみるのがコツ。

⑮「使用上の注意事項の確認」-引き渡し時

アイプラスアイでは転落の可能性がある箇所に対する注意や、開放型ストーブ類の使用禁止などを明記した、A4用紙数枚の簡単な「建物の使用上の注意事項」をいつもお渡ししています。少しでも建物を長持ちさせ、美しく保つため、メンテナンスの方法なども引き渡し時に確認しておきましょう。


※なお、上記の確認の際、変更が出ることも多かれ少なかれあるわけですが、アイプラスアイでは、これを施工者に無理にやらせるということはありません。変更に伴う増減については、施工者が提出する増減見積書を建主さんが了解した後で施工することを特記仕様書に明記し、対応しています。もちろん、施工者とは設計図に基づいて工事契約をしているわけですから、原則設計図どおりの仕様で施工するのが大原則です。いたずらに変更すれば、現場の進捗に支障をきたしますので、設計内容は設計段階で十分つめておく必要があります。

by iplusi | 2007-03-15 18:22 | その他いろいろ | Comments(0)
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