国立新美術館
国立新美術館_d0017039_14384254.jpg都知事選出馬表明記念で。
開催中の黒川紀章展では、黒川大先生、ビデオで作品解説してます。曰く「自然と共生するために縁側をつくった・・・縁側というのは内でも外でもない曖昧な空間・・・縁側だ、中間領域だ、ということを強調するために縁甲板を張った・・・外壁がうねっているのは、木をよけるため・・・建築の方が自然に従う・・・」。ここを「縁側」と言い切るずうずうしさ。なんとわかりやすく、強引な説明でしょう(笑)。
でも、このホール、なかなか奥行き感があって、悪くないのです。東京都現代美術館、東京フォーラム、都庁や超高層ビルのアトリウム、都市の巨大空間で、ひとつとして良い物は思い出せませんが、このエントランスは、遠近感を強調するように高さを変えた二つの円錐、ウリンの床やPCの素材感、色(特に天井)、ディテールの密度感、モンローカーブ?のガラスルーバーがつくる複雑な光、光る壁、上等な椅子など、トータルでみても、非常に成功してるといえるんじゃないでしょうか。施設全体では、美術館をいわゆる展示場の形式でつくってしまうことで、出来の悪い施設のプログラム自体を批判してる風にもみえます。肝心の展示室がちょっと大雑把(ピクチャーレールなどなんとかならんのか)なのが残念ですが、フレキシビリティに徹したつくりは、東京都現代美術館、横浜美術館、葉山の神奈川近美別館など半端に個性的なホワイトキューブより、よほど潔いと思います。
by iplusi | 2007-02-22 14:39 | その他いろいろ
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