コンクリートの眠り目地
d0017039_22122011.jpg竣工当時、所属していた会社のボスに「高橋君がいい仕事してるから見てきなさい」とかなんとか言われて、見学させて頂いた全労済情報センター、再訪です。
至る所に精巧なディテール(逃げがゼロなんていう納まりもある)があり、一般の方より専門家が「うへー」と声をあげる施設。
設計は高橋てい一さん率いる第一工房。施工は大成建設(の一軍)。これくらい大きな現場だと、一日200立米くらいコンクリートを打つのが普通ですが、この現場はきれいな打ち放しコンクリートのために、一日の打設量を職人の緊張感が持続する50立米に制限したんだとか。
例えば驚くべきディテールはこんな所にも。入口の列柱は柱の高さが7mちかくありますが、なぜか打ち継ぎ目地がありません。
一度に打設できるコンクリートの高さは4m位が限界。こんな高さのコンクリートを一発で打てば骨材が分離して、ジャンカだらけのコンクリートができます。したがって打ち継いでいないはずがないのです。
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よーく見ると、打ち継ぎ跡。目地がないんじゃなくて、「眠り目地」という見えない目地が入ってるということのようです。
1回目でっかい面木を入れてコンクリートを打設。2回目のコンクリートは、面木を取り外して、滑り込ませるように打設するとこんな具合になるのです。言葉で言うとそれだけのことだけど、実際の施工はそういった微細部分の充填、ピン角のエッジの処理、垂直性の確保など、非常に困難な施工だったと思います。

コンクリート打ち放しというのは、仕上げがない分安い、なんて思ってる方も多いと思いますが、この手の打ち放し仕上げは、通常のコンクリートの倍は手間がかかっている、非常に高価なものなのです。
by iplusi | 2006-08-01 22:12 | その他いろいろ | Comments(0)
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