「新米建築士の教科書」発売
d0017039_02102358.jpg
2017年3月21日、飯塚の2冊目の著書、「新米建築士の教科書」が発売されます。帯にもある通り、設計事務所や工務店の新米建築士、あるいは建築士未満の新人や学生が、どうすれば設計者として一人前になれるかを、懇切丁寧に解説しました。先人達が上司や先輩から何年もかけて苦労して身に着けた「設計の考え方」「設計の作法」を、読むだけで俯瞰することも可能です。
出版社は某X社ではなく、「はじめての・・・」シリーズが有名な、ノウハウ本の老舗「秀和システム」。値段は1800円+税、版型は「間取りの方程式」と同じA5サイズですが、コート紙、オールカラーで272ページ、ずっしりとしたヴォリュームになりました。
d0017039_13172414.jpg
担当編集者田代さんのリクエストは、読むだけで「ビジネスマンとしての作法」が学べる、ベストセラー「入社一年目の教科書」の建築版。設計事務所の日常業務、すなわち、事例探し、スケッチ、模型作り、資金計画、法令調査、現地調査、施主ヒアリング、プレゼン、コンセプトメイク、施工者探し、配筋検査、プレカットチェック、取説づくり・・・などの作業をするときに、面倒見のいい所長ならきっと指導するであろう勘所や設計の常識を、ややおせっかいなくらい丁寧に解説しています。

本では最も身近な建築である「木造住宅」をネタにしていますから、近い将来、独立を考えている若者には最適。新人教育の教本として「ひとまずこれ読んどけ」的にも使えますので、設計事務所・工務店の経営者の方にもお薦めです。

おそらく読者の皆さんが、一番活用する可能性が高いのは、下記のような様々な要点集やチェックリストです。一部は実際、私の事務所で普段使っているリストを披露したものですが、こういうものを自分で作ったり調べたりするのは、それはそれは大変ですから、それだけでも購入する価値があるのではと思っています。

・p015 過去事例の収集順位
・p060 盗みたいディテール
・p063 所長に報告すべきこと
・p067 電話で伝えるべきこと、メールで使うべきこと
・p101 法令・インフラ調査チェックリスト
・p106 確認申請以外の法手続きチェックリスト
・p111 引き込み管径の目安
・p115 資金計画の例
・p138 中間領域のパターン
・p202 キッチンのヒアリング事項
・p209 コンセントが必要な家電チェックリスト 
・p225 工務店ヒアリングで確認することチェックリスト
・p235 配筋検査チェックリスト
・p245 羽子板ボルトの略号例
・p256 発注内容確認リスト
・p226 取説例(例)
・p268 使用材料一覧(例)

amazonのチラ見に法チェックのスキャンがあったので貼っておきます。これも、普段事務所で使ってるもの。(p102の道路やライフラインのチェックリストと一緒のエクセルファイルをもっぱら使っています)
d0017039_13180836.jpg
この本の中で最も苦労したのは「コンセプトづくり」の章です。魅力的な空間、町との幸せな関係、建築文化としての価値を生み出すコンセプトメイクの方法を解説しました。このブログにもコンセプトづくりの記事 があり、卒業設計とかのシーズンになると一定のアクセスがあるようなのですが、それを大幅に改訂、手法化したものです。
d0017039_14484780.jpg
ブレインストーミングやワークショップ的にキーワードを付箋紙に書いて貼っていく方法の発展形ですが、ここで解説した方法を使うと、キーワードが一定のルールのもとに秩序化され、建築的に処理しやすくなります。我ながらよくできてると思うので、この部分は学生を含む多くの皆さんに読んで欲しいと思っています。

ちょうど本の執筆と重なった飯能K邸のイラストの表紙が目印です。
下に目次を貼っておきます。ぜひ書店で手に取っていただければと思います。

CHAPTER 1 誰でもできる7つの成長習慣

「過去事例の収集」で知識を磨く

「30秒スケッチ」で考えを形にする力を磨く

「自宅を測り」寸法感覚を磨く

「大学で最初に習う公式を復習し」計算力を磨く

「1時間でできる模型」で設計力を磨く

「アクソメ・アイソメを活用し」3次元の画力を磨く

「街ぶら」で観察力を磨く


CHAPTER 2 「できる!」と思われる事務所仕事のこなし方

「もしも、自分が独立したら……」と考えながら仕事をする

所長、先輩から一流テクを盗みとる

一目置かれるためのホウ・レン・ソウ

一目置かれる電話とメールの使い分け方

効率のよいチーム設計を実現する7つのルールを知る

抜かりないスケジュール調整術

「7つの専門知識」を身につける


CHAPTER 3 はじめての現地調査とお施主ヒアリング

敷地の概要はグーグルマップで8割把握できる

敷地調査ではあらゆるものの「高さ」を確認する

法律のことは「役所に電話」で8割解決する

何にどれだけお金がかかるかを知っておく

初訪問時は「測りまくり」「聞きまくり」

スクラップブックでお施主の本音を引き出す


CHAPTER 4 ワンランク上の設計を実現する7つのシンプルルール

ボリューム出しの決め手は「真四角+シンプル」

間取りの前に外観を決める

開口部は「風孔」でなく「間戸」で作る

広々とした空間は「スケルトン―インフィル」で作る

骨組みや仕様は「ワンパターン」で作る

間取りの決めては「クローバー動線とたまり」

第一印象は「色と素材」で8割決まる


CHAPTER 5 はじめてのプレゼン

プレゼンはやり方を間違うと失敗する

「コンセプト」はシンプルなマトリックスで伝える

概要は「模型」で全部説明しきる

図面は「手紙のように描き」要点だけを伝える

材料仕様は現物を直に触って決めてもらう


CHAPTER 6 現場監理をスムーズに行うために6つのポイント

施工者はまず、金額以外の要素で選ぶ

「数量拾い」がコスト調整の要

現場監理の勘所

祭事や諸手続きがスケジュールを左右する

完成時に渡す建物の「トリセツ」



ps.表紙カバーや帯を取った本体にも、飯能K邸が単色印刷されています。その他、事例探し、1時間スケッチ、1時間模型、数量拾いなどのコーナーにも飯能K邸登場してます。
d0017039_14114050.jpg

by iplusi | 2017-03-27 01:25 | その他いろいろ | Comments(2)
Commented by 森山 at 2017-03-20 17:27 x
おめでとうございます。
読んだら感想書きますね。
Commented by iplusi at 2017-03-21 01:10
森山さんありがとうございます。若い設計者が学ぶべきことを網羅した、前例のない本にはできたと思います。出版社から直接会社の方にお送りする段取りにしましたので、本の到着までしばらくおまちください。
<< つくばN邸半年点検 町田K邸オープンハウスのお知らせ >>