2016年 構法スタジオ飯塚クラス中間発表
法政大学建築学科の構法スタジオ。飯塚クラスは11/7に中間発表を行いました。今回の提出物は軸組み模型です。例年11月末ですが、いつも図面が間に合わないので、今年は早い時期に設定しました。
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鈴木君の作品。3.6mくらいの片持ち屋根をトラスで支持する作戦。ちょっと非常識なスケール感なので網野先生にも相談。「下弦材は重力で曲げを受けたところに、大きな圧縮力がかかるので、座屈しないよう工夫必要。また、合わせ梁の間の束がすっぽ抜けないように、柱と梁がかみ合うようなディテールにすべき」等のアドバイスもらいました。実際模型に力をかけて、変形具合を確認しつつの指導でした。
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中本君の作品。レーモンドのようなシザーストラスは、片側がシングルで、もう片側がダブルの非対称構成です。トップライトも急こう配屋根片側だけで非対称。実際作ったら、林の中にいるような光が射すとても良い空間になりそうですね。中央軸性の強い教会型の構成なので、間取りもそれを意識した構成に調整します。
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野々川君の作品。非対称の切妻を交互に反転しながら繰り返す屋根。屋根の隙間がハイサイドライトになっています。屋根の重なるところは柱梁をダブルにして骨格を分け、架構や仕口を単純化しました。
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宮崎君の作品。角度の違う屋根が越屋根上に重なって、やや下向き斜めのハイサイドライトを構成している案。立面をまとめるのが、とても難しいので、もうワンスパンふやして、半屋外の中間領域でシルエットを強調することになりました。
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山本君の作品。方杖状の柱とストレススキンパネル状の屋根によって、梁を小断面におさえ、地を這うような背の低いプロポーションを実現しようという案。屋根が大きいので暗くなりそうですが、池の反射光に期待。
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岸君の作品。屋根が高い方にだけ、2階がある構成。構法スタジオでは定番の差し掛け屋根ですが、V字に折ることで、設計した本人の予想を超えた豊かな内部空間ができています。
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新沢君の作品。過去にはあまり事例がなかった中庭型の構成。軒先に柱を入れないように、柱を前後に2本立てるなど工夫しています。スタジオ・ムンバイみたいな壁に囲われる形で考えていたけど、写真右手、半外部の方は、壁なしにしても楽しそうです。
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神山君の作品。谷尻誠さんの住宅を参考にした、斜面埋め込み系住宅。屋根は4本の登梁を、ローリングした小梁でつなぐ明快な構成。基礎はあえて布基礎(+防湿コンクリート)で計画します。
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佐藤君の作品。複雑な形状の屋根を、和小屋で構成する案。垂木は90*45程度。小屋梁は適宜方向を変えて、1間ピッチの母屋を支えます。外断熱で複雑な和小屋組を全部見せにします。
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竪山さんの作品。折れ線屋根の案。変曲点には水平に梁を入れて、その間を登梁でつなぎます。断熱も外、アイプラスアイの定番手法を踏襲した架構です。
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阿部さんの作品。切妻の箱に入れこされた塊が大きくなって、切妻の入れ物から飛び出したような案。いろいろな方向に飛び出す片持ち部をどう支えるかが課題です。
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和田さんの作品。方形の安定形態を、角度を振った間仕切りと、不整形のハイサイドライトで崩した案。ハイサイドライトは間仕切りと、隅木の交点を狙って決めています。
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福田君の作品。袖壁が囲む庭に風除室状のガラスの箱が突出する案。袖壁が風で倒れないように、水平に斜材を入れてます。庭側の壁は背が高すぎるので、斜材利用の屋根をC型につなげ、上下分割した方が良いかも。
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石井君の作品。単純な切妻形態ですが、C型の内部とL型の外部がかみ合う構成になっています。屋根はけちらず、大断面にして2間半を登梁形式で飛ばして飛ばしています。
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高瀬君の作品。間口2間半の細長い切妻の住宅です。堀部安嗣さんの住宅を参考にして、中央に屋外土間空間を抱いています。とても単純だけど実際作ったら、いい空間になるでしょうね。
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栗原さんの作品。富士ソーラーさんの方形を参考にしてます。中央はかぼちゃ束、中央の4本柱をつなぐ梁がこぼれないよう、隅木のレベルはもう少し下げる予定です。
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伊藤君の作品。切妻の主屋に片流れの屋根が3方からとりつく屋根形態です。庭を囲む形なので、庭側の窓の取り方が非常に重要になります。
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崔君の作品。構法スタジオでは珍しい寄棟屋根です。主要な内部柱は4本。素直に束で2つの頂部を支えています。せっかく寄棟平屋なのでできるだけ軒を下げたほうがプロポーションが良くなるはずです。、
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奥君の作品。ケラバ側で屋根を支える柱がないところがあるので、桁や梁を片持ちで出して、柱なしで納めます。スパンが大きいので梁せいはもっと大きくなるはずです。
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日野さんの作品。1間ピッチに入る大きめの登梁で、大きな片持ち屋根をつくっています。妻側には柱足してください。袖壁はあるのかないのかも不明確。
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高澤君の作品。L型平面で、手前のブロックは吹き抜けのある平屋。奥は2階建ての構成です。玄関はLの折れ点あたりにあります。

さて、これから、年末にかけては本格的に図面の作業です。この授業では平面立面断面といった一般図の他に、矩計図、構造図を作成、今年は壁量計算も全員が提出します。飯塚クラスは合理化工法+屋根通気層付きの高気密高断熱が条件ですから、2020年省エネ義務化しても、学生たちは大丈夫なはずです。

ちなみにこの授業は必修。2年生は意匠系のデザインスタジオや建築気候(環境)といった必修授業もあるので、恐ろしく大変ですが、残り数か月頑張っていきましょう。

by iplusi | 2016-11-13 01:31 | 構法スタジオ | Comments(2)
Commented by やましたまこと at 2016-11-13 10:37 x
見ていて楽しいですし、発見があります。
Commented by iplusi at 2016-11-13 18:58
ですね。1回の授業のエスキースで学生を見る時間は一人当たり10~20分くらい。6回くらいのプチレクチャー+エスキースで、適切に誘導してやれば、右も左もわからない大学2年生がこんなクオリティで、多様な案を自ら生み出すんです。教えてる方もびっくりです。
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