2015年構法スタジオ 中間発表
2015年の法政大学構法スタジオの飯塚クラス、先週は軸組模型の中間発表でした。現段階では甲乙つけがたいバリエーションに富んだ作品ができつつあります。あとは図面次第というところでしょう。
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山本くんの作品。三角形の屋根ボリュームに片流れの屋根を差し掛けた独特なフォルムです。2つのボリュームの挙動の違いを考慮して、短辺方向は2つのボリュームそれぞれに耐力壁を配置、長辺方向はボリュームの中間面にもブレースを入れる計画になっています。山本くんはスケッチアップなども駆使して、梁頂部の勾配や、梁と棟木の取り合いなどもすでに理解しています。
模型写真を見て気が付きましたが、先日のエスキースでは、デッキ開口方向が変わったので、150幅の基礎の上に外部柱2本載せた方が自然かも。
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丸山くんの作品。割り箸鉄砲みたいな合わせ柱でトンネル上の架構をつくった案です。大きなボリュームの空間を中間柱なしで組んでいます。問題はトンネル小口の開口部。高さが6mもあるので、平米120kg程度の風圧力でも、サッシ方立の見込みが300くらいの断面になるという計算になります。サッシ柱の存在感が出すぎると、トンネル構造が強調されないということで、入れ子した部屋部分から梁を出して、開口部中間付近を支持しようということになりました。
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抱山くんの作品。雁行する切妻ボリュームが、谷の上に橋のようにかかるという案です。基礎がなくなる中間部分は、土台、大引のメンバーを2階の梁のように大きくして持たせます。
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姉崎くんの作品。全体のシステムは丸山くんとかぶってますが、姉崎くんのは、半地下で全体の高さを抑えるとともに、小口部に三角形の特長あるエレベーションをつくっているところが特徴です。
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伊奈さんの作品。「45度方向に振る」という大高さんや芦原さんの時代にはやった大昔の手法を使ってるにもかかわらず、非常に現代的な新しい造形を生み出しています。5.5m近いスパンとなる部分は、空中に梁を跳ばして支持しました。
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牧野瀬くんの作品。「木造の詳細」という本にあったトラス組みで4間スパンを跳ばしています。間取りの仕組みも、限りなくシステマチックに考えたいところ。
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栗田くんの作品。篠原さんの白の家を参考にした方形屋根です。鼻隠しを構造にして、コーナーの垂木が遊ばないようにしました。方杖のある大黒柱は篠原さんのをそのまま真似していますが、角錐台のトップライトが乗っているので、印象はぜんぜん違いますね。

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土肥くんの作品。くちばし状の突端部があるV字平面の切妻屋根です。あえて和小屋で組んでいます。うまく火打ち入れられるかな?どっちにしても、垂木端部は面戸が大入れで固めたほうが良さそう。
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加藤くんの作品。水平構面と耐力壁の接合部は面戸つけるというルールでまとめています。Rを折れ線で近似したけど、難しい取り合いは沢山出てきます。
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臼田くんの作品。トップライトの光を屋根なりに導こうという計画。床は光に向かってスキップしています。2275ピッチの登り梁をメインの架構にして、ローリングした母屋を登り梁にかけています。
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渡辺くんの作品。3つのハイサイドライトから光が射します。吹き抜けが多く背が高いので、2階床レベルで火打ちを入れた後面を作っています。

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小宮くんの作品。大きなフレームの中央に大きなフレームが入れ子されています。出隅コーナーは開口のない壁を合成梁にして持たせます。
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未崎くんの作品。折れ線状に跳ね上げた屋根隙間から採光します。登り梁をメインフレームにした臼田くんとは逆に、変曲点に入る桁方向の材をメインフレームにしています。
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小熊さんの作品。半地下の構造体の上に軽やかな屋根をかける計画です。屋根にかかる水平力は小さいけど、横方向の変形に対する抵抗要素は必要ですね。下部構造は浮力に対する配慮も必要でしょうか。
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館山くんの作品。大きな変形切妻の中に、3つのボリュームを入れ子しました。どうやってその入れ子システムを伝えるかがテーマです。
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畠山さんの作品。背の低い和小屋の平屋。でも屋根は非対称な切妻で、直交座標から外れた斜めの線がパースの効いた内部空間をつくります。
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施くんの作品。傾いた壁が特徴の折れ線屋根。大空間の割に部材が貧弱です。部材のスケール感を意識して計画することに。
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大竹くんの作品。120度に棟がのびる計画。1間ピッチに大梁を渡し、束を立てて棟木を支持しています。中央の部分は変則的な架構で逃げました。
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朴くんの作品。1方向に梁がかかる明快な構成。大引のメンバーが大きいとか、ちょっと変なところがあるので改善が必要です。短辺ワンスパンで跳ばしてますが、耐力壁の位置には柱も必要になるはず。








by iplusi | 2015-12-03 20:03 | 構法スタジオ
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