さいたまO邸 妻面窓の検討
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妻面の窓をどうするか検討中。窓は1つなのか、2つなのか、3つなのか。デザイン上のキモなので、内部からの要求だけでなく、外観の見え方も考えなくてはいけません。もちろん好みもあるから、難しいところですが。
なかなか決めかねるので、堺正章の料理番組のように、過去の巨匠たちを参照してみましょう。
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私の師匠、大高正人の1962年の作、片岡農協。屋根はシンメトリーな切妻だけど、妻面内の窓はアシンメトリー。3階レベルの目みたいなところと、2階右手横スリット表現が効いています。とても現代的ですね。
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師匠の師匠、前川國男自邸、1942年。江戸東京たてもの園にあるから、皆さんよくご存知ですね。南面はぼっこりと凹ませています。家形に凹ませれば、造形的にはまとまりやすいと思いますが、わざわざ、凹ませた部分に平らな天井をつくってるのが面白いところ。内観を優先したのか、あるいは日射しをきちんと遮りたかったのか。
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同北側アプローチ側立面。南側のヴォリュームが押し出されて、こっちが出っ張ってきてるという風にも見えますね。窓と雨戸をカーテンウォールのように処理しています。
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師匠の師匠の師匠、ル・コルビュジェも、若かりし頃には切妻がありました。これは、1907年、二十歳の頃に設計したと言われるジャクメ邸です。2階も小屋裏階も、窓を3回繰り返す古典的な表現を採っています。
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さらにル・コルビュジェの師匠、ペーター・ベーレンスの建築。1907年。装飾などはサン・ミニアート・アル・モンテとか、サンタマリア・ノヴェッラなどのルネッサンス建築のようですが、浮き上がったピロティ表現は、古代ローマ、ギリシャの神殿建築を参照したのかも。1、3、5の奇数割になっています。
by iplusi | 2015-02-28 12:42 | さいたまO邸
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