構法スタジオ7-屋根構造の整理
d0017039_16523833.jpg構造が単体でうまく解けても、断熱のせいで構造があらわしに出来なければ意味が無いので、軸組み模型を作りながら、一緒に断熱のことも考えておく。断熱等級4程度の性能でかつ、屋根通気層を取る断面が目標。屋根の構造や構成は、主として下記3点を決めるとおのずと決まってくる。

・構造のうち何を露出させるか(母屋、垂木、野地を見せるか否か)
・軒の出、けらばの出をどのくらい出すか(屋根通気とる場合は、特にけらばの出し方が問題)
・火打ちや水平な小屋梁を入れられるかどうか


案1:垂木構造-外張断熱方式-ダブル野地
垂木、野地を露出させる構成。断熱は外張り方式で、野地は2重。剛床仕様で、火打ち梁は不要。下図は軒の出900程度、けらばの出600程度。
垂木を見せようとしたら、必ず外張り方式になる。垂木がワンウエイにかかる姿は美しい。アイプラスアイで、この構成を採用する場合、1層目の野地は24㎜合板を使い、垂木ピッチは、より細かくすることが多い。この形式の採用事例:平塚、白井、飯能、松戸、高崎、高尾、宇奈根
d0017039_2123364.jpg
Ⅳ地域で断熱等級4は取れるが、断熱性能を上げる場合は一層目野地上に、ポリエチレンフィルム敷き、水平方向に断熱材同厚の角材などを@1820程度で流す。角材間に断熱材を隙間無く充填、その上に通気垂木を流し、通気垂木マイナス30㎜程度の厚みの断熱材を落とし込むといいようだ。


案2:和小屋-外張断熱方式-ダブル野地
垂木、野地などを含む小屋組全部をみせる構成。断熱は外張り方式。けらばは母屋で跳ね出す。野地は2重だが、非剛床仕様で、小屋梁+火打ち梁が必要。断熱材の上に垂木を流す形式なので、軒の出は小さいほうが自然。和小屋全部の部材を見せるのは、結構くどいので、着色等しないのであれば、もう少しすっきりとした構成にすべきところ。
d0017039_2123983.jpg
この形式の外張り断熱の場合、断熱材の厚みはさほど上げられない。開口部のトレードオフを使わないと断熱等級4も達成しにくい。また、母屋を跳ね出させても、母屋と通気垂木との間に断熱材分の隙間が出来てしまうから、なかなかうまく納められない。結局いろいろ考えていくと、外断熱方式は、案1にだんだん近づいていくのだと思う。


案3:構造問わず-充填断熱方式-ダブル野地
構造を隠す場合の基本構成。断熱は充填方式。野地は二重で、小屋梁や火打ち梁は不要。
構造は出来る限り無駄なくかければ良い。軒の出けらばの出が大きくなれば、通気垂木のサイズを上げる。出が無いのであれば、18~30mm程度の通気層を確保しておけば足りる。
d0017039_21231713.jpg
上図は梁と垂木を同レベル組んだときのおさまり。これなら袋入りグラスウールの気密もとりやすい。この形式の採用事例:西国分寺、練馬、所沢他多数



案4:登梁構造-充填断熱方式-ダブル野地
登梁を1間ピッチで折置きで入れ、登梁、軒桁、棟梁のみを露出させる構成。断熱は充填方式。野地は二重で火打ち梁は不要。軒の出1800程度、けらばの出450程度。
d0017039_21232568.jpg
特殊な組み方なので、もう少し詳細に検討の必要があると思う。


案5:登梁構造-充填断熱方式-シングル野地
登梁を3尺間で京呂渡り顎で入れ、登梁、軒桁、棟梁、小屋梁を露出させる構成。断熱は充填方式。野地はシングルで小屋梁+火打ち梁が必要。軒の出1365程度、けらばの出600程度。
d0017039_21233479.jpg



案6:和小屋-充填断熱方式
せいの大きな垂木を使った和小屋。垂木は隠し、軒桁、棟梁、小屋梁を露出させる構成。断熱は充填方式。野地はシングルで小屋梁+火打ち梁が必要。軒の出1365程度、けらばの出450程度。
今後Ⅳ地域の標準断面はこれになるのではないか。ダンボール製のスペーサーを使うと、通気層と105厚の断熱材が2×6材の中にきれいにおさまる。垂木下に袋の耳をタッカー止めし、テープを貼れば気密も確保できる。
d0017039_21234080.jpg

母屋を見せるのは、意匠的には結構難しいので、上図は、天井の勾配と屋根の勾配を変え、母屋を隠した。スパンが1間半なら母屋なしで2×6材材だけで飛ばせるから、もう少しすっきりおさまる。ちなみに断熱材の定尺寸法は、4.5尺と9.5尺。
by iplusi | 2011-10-30 21:19 | 構法スタジオ | Comments(0)
<< フラット35Sエコ 床見切り @高尾K邸 >>